「次の会社は何を基準に選ぶんですか」への回答 #劇場型転職

82社中40社ぐらいで同じ質問されたのでもうここに書いておく、これは僕の感覚で書き記すので、科学的に正しいかどうかは知りません。

選択が先、理由が後

「次の会社は何を基準に選ぶんですか」

この質問をする人はだいたい次のようなわかりやすい回答を求めている。

  • 「年収」
  • 「社風」
  • 「仲間」
  • 「成長」

で、じゃあどれなのっていうと、全部に決まってんだろという回答になるんですが、それではコミュニケーションが終わってしまうし流石にそんな回答はしない。だけど、これについて僕の真の回答をその場で述べると長くなってしまうので「僕が一番良いと思って選んだ所が一番良いところだと思うんです、それは多角的に見て考えるので一つの要素で決めるものではない」と答える。

実際僕には今の生活水準というものがあり、毎月東京の安くはない家賃を支払っていて、面白いガジェットがあれば飛びついて買うみたいな生活をしている。この生活水準自体はある程度切り詰めることは可能だけど、一定ライン切り詰めると家賃が払えないとか毎食激安弁当になるとかそういう弊害があるわけで、「これくらいは最低欲しい」みたいなラインがあるわけですよ。じゃあそのラインに行っていれば良いのかというとそうでもなくて、労働市場の中で自分はこれくらいの実力があるのであまり安売りをするわけにはいけないとか、果たす職務や責務に対して納得をしてコミットメントをするという所もあるわけです。

じゃあ、カネなのか?というとそれも違う。前職に入る際に、他社の方が200万円高くオファーをくれたんですけどそれを蹴って入社したのでカネだけで決めているわけではない。それは自分がパフォーマンスを出せそうなのか、活躍できそうなのか、活躍を適切に評価してくれそうな空気感があるのか、自分が働きたいように働けるのか、チームメンバーと波長は合うのか、自分自身の職務経歴書にその社名と職務内容を書いた時にどう見られるだろうか、そんなことを考えながら職業を選択している。結果的に前職に入ったことは大正解だった。

話が長い、結局何が言いたいのかというと企業は一つの側面において判断することはできなくて、本当に様々な軸から見る必要があり、世間的にはホワイトとされている企業はキャリアメイク先としては実際微妙だったりとか、ブラック(薄給激務方面)企業に属していたとしてもめちゃくちゃ成長出来て、業界的に「ファーム」として見られている企業も様々ある(具体的な社名は挙げない)。念の為ブラック礼賛が目的ではないが、実際にブラック企業を経験した人は「あの時期がなければ今の自分はない」みたいなことを言う人がいて、自分もその中の一人だったりはする、ただし僕はもう薄給激務のブラックは御免だし、積極的にオススメはしない。

で、これらに対する僕の解なんですけど、「選択が先、理由が後」なんですよ。選択することに対して後から理由がついてくる。「選ぶ」という行為自体が重要なのであって、何故選んだかってのは選んだ後に来る。僕が思うに人間はルールベースで実装されていなくて、様々な不条理・不均衡を内包している。その中で感覚的に良かったと感じるものを選択して、何故そうしたのかは後付で考える、そういう生き物なんです。

だからこそ「選ぶ」ということが大切で、選んだものには「理由」も「納得」も後からついてくる、だから僕は今何かを基準に選ぼうとは考えていないんです。念の為先程挙げたような最低限の基準はあるけど、その先は本当に考えていません。

これは前職で僕の面談・面接を受けてくれた人は知ってると思うんですが、「うち以外に他の会社も受けてますか?」という質問に「いいえ」と答えた時に、「ではぜひ受けてみてください、受けてみて、比較検討の結果うちに来てくれたら嬉しいです」と言っていたのは、コレが理由。ほかの選択肢を検討せずに入社すると何かモヤモヤが起こった時に納得の根拠が無いんですけど、選んだ結果入った所であれば納得できるんです。

これを書くことで明日から「書いといたんでブログ読んでください」が出来て便利。じゃあの。

#劇場型転職 中間報告

色々と思うことがあったので乱文を書いていく

便利リンク集

前回の記事 purintai.hateblo.jp

面談に応じてくれた企業紹介(鋭意執筆中・ベストエフォート) note.mu

数字的なもの

お声がけ頂いた企業数: 120
( Twitter / 知人紹介 / 転職エージェント経由 )

アポが組めた企業数: 82

面談済企業数: 76

節操なく全ての企業と面談している理由

自分自身の持っている先入観に負けないため。先入観でフィルターした場合だと会っていなかったが、それでも会ってみて実際に良いと思えた企業があった。

どれくらいの企業規模を狙っているの?

ターゲットは定めておらず、大企業でもベンチャーでも老舗でも創業直後でもよい。それよりも問題になるのは事業内容、構造、マーケット、チームメンバーの質や経営方針によることが多い。 これが最後の転職ならド安定しそうな大正義大企業の正社員狙ってるだろうけど、どうせまた転職するので本当にどうでもいい。

自分自身にとっての今回の転職はどういうものか

いわゆる「Web系企業」の労働市場に初出品みたいな状態、これは前職のネームバリューとカンファレンス登壇や採用広報活動などの実績に依るものが大きい。

github.com

上記が僕の職歴だが、直近2社の経歴を隠した場合、雇ってくれるどころか書類を通してくれない会社も多いと思うし、実際前回や前々回の転職ではそのような目にあった。ようやく能動的にキャリアメイクをできるので、このへんはいわゆる新卒メガベンチャーみたいな人と比較すると周回遅れ状態だと思っている。経歴話すと「へー立派じゃん、すごいじゃん」みたいな反応されるのだけど(お世辞かも)、結局直近1社が無ければ「で、今まで何やってたんですか」になるんですよ、これはマジで。

次の職種・やりたいことについて

前職でやってきたことは、一般的な職種名に照らすとこのようになると思う。

  • ソフトウェアエンジニア
  • ソフトウェアアーキテクト
  • セキュリティエンジニア
  • コーポレートエンジニア
  • テクニカルリクルーター
  • デベロッパーリレーション (DevRel)

この中だと、やはり主軸はソフトウェアエンジニアであるが、これはコードだけ書いていたいと言うわけではない。プロダクトオーナーやディレクターが切った仕様とか雲の上の偉い人が決めたことをただ黙って実装していくみたいな業務は面白くないので積極的にこれを避けたい。ただ単に面白くないだけでなく、エンジニアリング観点を持たないプロダクトオーナーやディレクターは得てして「実現不可能な絵空事」とか「AIでなんとかする」とかみたいなことを言うことがあり、これに対して協議・検討をする機会が設けられていないのは理不尽、または無駄と感じる。主体的にサービス開発に関わっていけるということは自分の中において必須事項であり、事業内容について納得感を持てることもまた必須事項である。

採用・広報方面でのキャリアは間違いなく広がったけども、残念ながら前職におけるこれらの活動は自己の評価と企業からの評価に大きな差があり満足な評価を受けることができなかった。そのような事情もあり次の職場では採用や広報を主務とすることを捨てていきたいと感じている。もちろんこれは一切やらないという意味ではなく、企画協力やレビューといった側面では積極的に手伝う意志があり、そもそも採用は一緒に働く仲間を決定する企業において最も重要なプロセスであるのでこれには今後も積極的に関わっていきたい。しかし私がメインで関わらなければならないと感じる企業は選定においてマイナスに作用すると思われる。

セキュリティ方面については自分自身の将来価値を高める一手のひとつではあると思うが、こちらは時間制限が比較的ゆるく感じるのでこれを検討しない。

全体的なキャリア感

正直、職歴からして1年後に自分が何をしているのかまるでわからないのでこれは考えるだけ無駄であるのだけど、今後もほぼ2年単位で転職をする気がしている。これは飽きのサイクルがやってくるのが2年単位だからという感じ。よって、キャリア全体で何を為すのかはさておいて「今回の転職」は「次の転職」を中心に考えるのが良いと感じている。

技術的には、プロダクト開発寄りのキャリアを追ってきたので分散処理とか大規模トラフィックの経験もほぼ無くて、現状ではビジネスロジックが重要な BtoB スタートアップ向きの人材である。では次も BtoB スタートアップに入るとなると、初速は出るだろうけど経験の幅が広がらない問題があるし、例えば「次の転職では Google に入りたい」と思った時に必要な経験が積めない(学歴が無いからこの選択肢はいずれにせよ多分無理なのだけど)。この点において現職と距離の近いような職場を選ぶよりも、離れている方が技術的な幅を広げることができるだろう。

一方エンジニア以外のキャリアに目を向けると、例えば次も創立から浅いスタートアップに入るなどして立ち上げ期の経験を重ねるなどして、VCのアソシエイトとかインキュベーターで働くというキャリアもあると思います。または特定領域の課題を深掘ってプロダクトマネージャやプロダクトオーナーを目指すというコースもあります。

このようにモノを見ると、このタイミングで転職することによって得られる最良のポジションは何であるかということが大事で、何かを軸にするということは大切ではないと思っています。

求める文化

パフォーマンスを発揮するためには企業やチームの文化的土壌や能力水準も大事だと考えており、書き出すと書ききらないのでトピックを絞って書く。

心理的安全性

このキーワードは現在とても扱いづらくなっていて、何故かと言うとこの単語の持つ意味が現在二分されてしまったせいからだと思う。

  1. 心理的安全性があることでお互いに鋭い指摘を言い合えるようになる状態
    (チーム vs 課題 が実現できている)
  2. 心理的安全性があることで組織に属する個人が傷つくことがないことが保証されている状態
    (チーム vs 課題 が実現できていない)

SNS 上での議論を眺めていると多くの場合これらが混同されており、これらに対する定義がない状態で走っているようにしか見えない。全員 Team Geek を読め。単語の羅列から意味を類推するな。

当然これが目指す本来の状態は後者ではなく前者であり、間違っても「コードレビューの時に丁寧に言葉を選ぶこと」や「コミュニケーション上のNGワードを設けること」が「心理的安全性」ではない。チームによって心理的安全性を獲得するためのアプローチはいくつもあるだろうが、「言葉狩り」を行うことが心理的安全性に寄与することはさほど無い、本質はそこではない。

情報管理

自分自身が担当する職務範囲においては、全ての情報を開示されることを希望する。情報のコントロールで課員をマネジメントする組織やマネージャは積極的に避けたい。

サービス開発

プロダクトチケットの検討にエンジニアを「関わらせてやっている」というスタンスのプロダクトオーナーやディレクターとの協働は積極的に避けたい。同様にアジャイル開発に理解のない組織も避けたい。

技術的負債

十分売れているプロダクトの技術的負債はこれを歓迎する(否定しない)が、技術的負債を積極的に積むことはこれに反対である。技術的負債なんて、生まなくて済むなら生まなくてよい。設計時点で予測できなかった変化の結果生まれた技術的負債はチームの責任であるが、それが設計者の無能によって生まれたものであれば設計者の責任である。

また、事業会社において技術的負債を返済していくことがプロダクト価値を生み出さない場合において、これを積極的にアウトソーシング(お金で解決)するべきと考えている。プロダクトチームのエンジニアはプロダクト価値を生むタスクに向き合うべきで、この時間をお金を買ってでも捻出すべきという考え。これをアウトソーシングできないほど予算に困っているのであれば単純に採算の悪いプロダクトであると考える。

技術選定とは何か

プロダクト単位で見れば、課題や要求に対して最適な道具を選んでいくことであり、企業単位で見れば、採用プールのコントロールであると考えている。

例えば Ruby が使えるエンジニアを採用しようと思ったら、実数で言えば国内だと1万人ぐらいを各社で取り合っているイメージであり、もし仮にエンジニア1000人採用するぞみたいなことしようと思ったら、言語が絞られているとだいぶその時点で苦労するのである、いや Java とか PHP ならいけるかもしれないけど。じゃあバラけていればそれでいいってのも違って、言語ごとの相性とか共通ライブラリを作ったりとか人員のローテーションにも関わってくるし、特定の言語のシニア級を取ろうとすればシニア級人員の年齢や労働市場状況によってコストも大きく変わってくるので、このへんは経営の観点がかなり求められる。

また、個人レベルでプログラミング言語や技術を選ぶことはコミュニティを選ぶことと同等であり、長きに渡って付き合う人間を選んでいくということにもなる。また採用においてコミュニティの存在は決して無視できないので、企業側も言語選定においてコミュニティの文化や層を良く見ておくことが大事、これは新規にサービスを立ち上げようとするベンチャーの方が影響がでかい。

面談をまだ組んでいない企業様へ

こちらから面談枠を確保できますのでよろしくおねがいします。

purintai.youcanbook.me

ゆるぼ

  • 平日に僕がさぼらないように企業紹介ブログを執筆するところを見守ってくれる監視員の方
  • 平日に僕がブログを書くためのオフィススペースを提供してくれる企業様(在宅やカフェだと進捗出ない)

Twitter で DM ください。

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つづく。

株式会社SmartHR を退職します

TL;DR

  • 2019年6月末で 株式会社SmartHR を退職します
  • 転職先または単発のお仕事探してますご連絡お待ちしております
  • 熱い自分語り

で、誰?

github.com

モチベーション

株式会社SmartHR (当時はクフでした) に入社してから早2年と少しが過ぎました。SmartHR という会社は自分のキャリアにとって初めて経験するスタートアップでしたが、この会社でこのフェーズを経験できたことは僕の人生の最高の瞬間であったことは間違いありません。

じゃあなんで退職するのかというと、大きく分けて2つの理由があります。

ソフトウェアエンジニアとして貯金がしたくなった

実は現在、昨年の builderscon 2018 で登壇させて頂いたあれ*1から今まで、社内でプロダクトコードをほぼ書いていません。

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その大きな要因のひとつとしては、会社のエンジニア採用がうまく行っていなかったことによる危機感から、自ら志願して採用担当になったことだと思っています。

SmartHR は日本の複雑な社会保険制度や、企業ごとに異なるバックオフィスの業務プロセスと向き合う必要があり、それら現実の課題に少数精鋭で立ち向かうことは現実的に難しいです。 しかしながら急拡大していくビジネスサイドのスピードに、プロダクトサイドも応えていかなければなりません。プロダクト開発の足を引っ張っていたデータベース移行問題を解決した今、次に解決すべきは採用であることは確定的に明らか。

そこで2018年下期から開発チームから人事チームに異動し、採用にまつわる実務・企画・広報・制度設計など様々なことにチャレンジしました。個人目標設定では採用数を KPI に設定してはいませんでしたが、2018年上期の悪夢であったエンジニア内定承諾数ゼロという状況から一転し、下期は10人もの最高の同僚を迎え入れることができました。V字回復!!

一定の成果を挙げることができブランドもある程度確立できたところで、2019年からはプロダクトと組織のセキュリティ課題に取り組むためにセキュリティエンジニアというロールで働き始めました。聞こえはかっこいいですが実のところは強い情シスぐらいの位置づけで、急成長する企業に起こりがちな情報氾濫問題とか、エンタープライズなお客様からの質問・要望に答えたりなど、割と地味な領域に取り組んでいました。

また、情シスという業務の特性上1つのタスクに集中して取り組むといったことが難しく、セキュリティグループに異動後もなし崩し的に採用業務には関わり続けることとなり、気がついたらもうずっとコード書いてないな……という状況が当たり前になってしまいました。

そんな状況でぼんやりと惰性で働いていた中、きっかけを生んだのは今年の RubyKaigi 2019 に参加したことでした。ここ数年の RubyKaigi は話についていくことが出来ていたつもりでいたのですが、今年は「まるでわからん、ついていけていない、果たして俺は Rubyist なのか?」という感情が突如湧いてきました。これは僕が初めて RubyKaigi に参加した2014年のときの気持ちに近くて、ああ、僕のソフトウェアエンジニアとしての実力は5年前になってしまったのか、貯金が尽きてしまったのか、と強い危機感を感じました。

環境をリセットしたくなった

では開発チームに戻ればいいじゃないか、という考えもあります。実際 SmartHR の開発チームは最高の状態で、何故かといえば僕が選考して一緒に働きたいと思った人を集めた最高のチームだからなんですけど、隣の部署から開発組織を眺めていて、生まれてくるプロダクトを見ていて、プルリクエストを見ていて、みんななんて凄いんだろう、やる気に満ち溢れてるんだろう、世の中にはこんなに凄い人がいるのか、なんか下手に僕が携わらない方が SmartHR の開発は上手くいくんじゃないか、という情念が湧いてきました。

SmartHR という会社はこれから10年・20年とスタートアップ界隈で語り継がれる伝説になることは間違いないでしょう、だけど僕がそこにいる必要性はもう多分なさそうで、静かに耳と目を閉じ口を噤んだ人間になることも考えましたが、また別の僕がこのままじゃあ終わりたくないな〜〜〜って語りかけてくるんですよね。

僕がこのまま在籍していてもソフトウェアエンジニアとしての業務に集中することは難しそうです、そんなこんなで中途半端な業務をしている自分がやや情けないというのもあって、いっそ環境をバッサリ変えてしまうのが良いなという気持ちが芽生えていたところ、そんな感じの話を上長にしたら「モチベーション切れたならしょうがないじゃん、次も応援してますよ」みたいな話になりそのままの勢いで今日退職を申し出ました。

次は何したいの

ソフトウェアエンジニアとしてコードを書いていきたいです。Ruby が好きなので Ruby が書ける仕事だと望ましいです。物理出社に抵抗ありませんが、渋谷に行くことには抵抗があります。優秀な人と一緒に働けると嬉しいです。ゲームや広告系は避けています。toC よりは toB が好きですが内容次第です。

幸い採用情報のオープン化や体験入社の取り組みを始めた会社が多くなったおかげで、転職先は探しやすくなっていそうですね。

次の行き先を決めていなかったまま勢いで決めてしまったので、つなぎの仕事も探しています。開発だけでなく業務プロセス設計や採用活動や広報に対するアドバイスなどもできそうです。

お仕事やご飯・お酒などのお誘いを頂けるのであれば私の Twitter までお気軽にご連絡ください。(DMは全体開放しています)

twitter.com

多分そのうち続きも書きます。また!

ロシア日記 8日目

シベリア鉄道の旅、完結!そしてモスクワ篇のはじまり

ウラジオストクから 9300 km を渡り、やっとモスクワへ到着。世話になった人らと別れの言葉を交わし、重いバックパックを背負っていざ市街へ。

ヤロスワフスキー駅前にはアサルトライフルを持った軍人がいたりと警備が厳戒でした。初日のチェックインまでは少し時間があったので、とりあえず赤の広場にでも行ってみようと地下鉄を探し、窓口で3日乗り放題券を購入。

カードの肌触りはすごい紙っぽいんですが中にチップが仕込まれていて Suica と同じように改札が通れます。基本的にモスクワ市街内の公共交通機関はこれ一枚でオッケーで、仕組みも前払い完全定額なので出口改札が存在しないです。

赤の広場に到着。完全にワールドカップ仕様になっていて、世界各国のテレビクルーが中継していたり、記念撮影をする人でごった返していました。広場の中央にでかいワールドカップのブースがあったので広場感が若干損なわれてしまったのが残念。

シベリア鉄道の中で同室の方から貰ったチーズが美味しくて、チーズから連想してピザが食べたくなったのでイタリア料理屋に突撃することに。

海外のレストランと言えばチップが気になるところですが、事前にインターネットで調べると「ある」派と「ない」派が出てきて混乱していましたが、受け取った会計伝票に「お気持ち程度をお願いします」の記述が。チップあるやんけ!となったので会計額の10%くらいを置いて帰りました。 チップを意識するとやや多めに現金を持ち歩いておかないといけないのでやや不便ですね。

そしてホテルにチェックイン。1週間ぶりのシャワーはさすがに気持ちよかったです。

シャワーを浴びたらプーシキン美術館へ。特にお目当ての作品もなかったのですが、所蔵作品の多さと日本ではなかなか見られない彫刻に度肝を抜かれました。彫刻はレプリカが殆どだとは思いますが。後は正教会系の美術品も多く、残念ながらこちら方面の知識がないので詳しくは存じませんがロシアならではかなと思いました。

後は、館内での撮影が認められている(?)っぽいのが日本と違うなあと思いました。皆が喋りながらパシャパシャ撮影しているのは日本の美術館ではありえない光景で、僕も途中から撮影をしていたのですが特に係員さんの前でも怒られはせず、こちらではこういうものなのだなという発見がありました。

その後はホテル近くのスーパーマーケットに買い出しに。現地の方の食文化などを発見できるので旅行のたびに欠かさずやっているアクティビティのひとつです。

買い出し後は歩き疲れもあるのでそのまま就寝。ご飯は昼に食べすぎたので夜は抜いてしまいました。

ロシア日記 7日目

シベリア鉄道 6 日目の道のりである。ウラジオストク駅からは 8430 km 地点。

ようやくモスクワ標準時ゾーンに突入。東京との時差は-6時間に。このエリアならさすがに電波も入るかなーと思ったけど相変わらずの圏外です。

本当なら今頃モスクワ周辺の観光スポット漁りを始めているはずだったのですが、圏外のためそれも叶わず。もしかすると、別の通信キャリアならもっと電波がマシだったのかな?モスクワでの電波状況次第では乗り換えも検討しようかと思ってます。ちなみにキャリアは MTS (MTC) です。

シベリア鉄道の運賃については5月時点のレートでウラジオストク〜モスクワ間が 32,000 円 程度でした。旅程にどのように組み込むか次第ではありますが、通常ホテル代などがかかることを考慮すれば海外旅行にしては格安なので、時間と休みが余って仕方ないような人はトライしてみてはいかがでしょうか。僕は正直に言うと「ウラジオストクからモスクワまでシベリア鉄道に乗った!」って言ってみたかっただけなのは否めません。こんな贅沢な時間の使い方は早々ないと思います。後、4日目に買ったマイマグですが、実は借りられることが判明しました。でも袋麺とかを食べるための容器はなさそうなので、マイ箸とタッパーなどはあった方が便利そうです。

同室の方がほんの少しだけ英語を知っているようなのですが、音声でコミュニケーションをしようとするとロシア訛りが強くてほぼ聞き取れず、結局翻訳機頼りに……。僕の英語をネイティブの人が聞くときもこんな感じなのかなあと思ってしまいました。オフライン辞書の精度も割と考えものではあって、3単語以上から成る文だとかなりの頻度で誤訳をします。

例として、「これはみそ汁と言い、お湯に溶かして飲む日本のスープです。」をオフライン辞書で翻訳にかけると大変なことになる。(気になる人はオフライン辞書をダウンロードの上、機内モードにして試してみよう)

ではどうすればよいかというと、オフライン辞書が誤訳をしない程度の短文を連続させればよい。上記の例でいえば、「これは MISO-SIRU です。」「日本のスープです。」「お湯に溶かして。」のように区切ればよい。「みそ汁」など国特有の名詞っぽいものはオフライン辞書が苦手とするのでアルファベットで入力するなどの工夫は必要。このへんは逆翻訳が流行った頃に遊んでいた人ならなんとなくわかると思う。

逆に、向こうの人に入力してもらった翻訳も大変なことになっていることが多いので、適当にピリオドを入れてみたり、あえて末尾の文字を削ってみたりすると意味がわかるようになることもある。このへんはかなりリテラシーが試されるので翻訳機があるからといって安心してはいけない。なおオンライン状態だと翻訳精度はかなりマシになる。

慣れ親しんだ寝台も明日の昼にはおさらばかと思うと急に愛おしくなってきました。なってないです。何事もなければ明日の今頃にはホテルにチェックインして、1週間ぶりのシャワーを浴びているはず。うまい飯にもありつけていることでしょう。

ロシア日記 6日目

シベリア鉄道 5 日目の道のりである。ウラジオストク駅からは 6867 km 地点。

5日間も乗りっぱなしとなるとさすがにシベリアの広大な森にも飽きてくる。(本当に、ずっと木なのだ。そして圏外。)

そうなると1日の楽しみは長時間停車駅の景観と雰囲気、レストラン車のおいしい食事、ツイッターの通知欄ぐらいしかなくなってくる。( KindleNetflix も事前にもっとダウンロードしておくべきだった!)

空港のある駅で途中下車してモスクワまでひとっ飛びも少しだけ考えたけど、旅行計画の前半は5〜6月に溜まった疲労を十分な睡眠で回復して、後半の活動に備えるということにあるのでこれで良いのかもしれない。

さて、僕が乗っているシベリア鉄道の二等車「クペー」は1部屋4人の共用部屋で、当然同室の人たちがいる。

僕はシェアハウスをしているので同じ部屋に人が居るのは慣れっこだが、ウラジオストクから同室していたのが若めの夫婦と幼い娘1人で、言葉も通じないのもあり若干気まずかった。 とはいえ、何日も同じ部屋で過ごす人であるので何かしら打ち解けないとまずい。そんな時には成田空港で仕入れたアルフォートを差し入れると、とりあえず敵意がない(?)ことを表明できるのでとても便利だった。 打ち解けた後も軽く会釈や言葉を交わしたくらいで、ノヴォシビルスクの手前ぐらいで下車していった。結局名前も知らないままだったけど、僕と同じで人見知りなタイプだったように見えた。

彼らが去った後に下段ベッドに寝転んで、雄大な景色を眺めながら1人で4人部屋を満喫しているとアントンが見回りにきて、「次の駅で乗ってくるから開けときな!」と合図してくれる。

次はどんな人たちが乗ってくるのかなと楽しみにしていると、これまた同じ構成の夫婦と娘だった。ややコワモテの旦那さんと快活な母娘で、早速チョコレートをプレゼントすると紅茶をごちそうしてくれた。どうやら黒海にバカンスに行くようで、えーとつまり……列車だと片道5日ですよね?

正直今回の旅で15連休が取れたのはうちの会社ならではだと思っていましたが、確かによくよく考えるとこれだけの人が乗っていることを考えると、ロシアでは休暇というものに対する考え方がそもそも違うのかもしれない。日本だと家族でバカンスといえばたかだか2泊3日とかで温泉だのハワイ旅行だのだよね。 国内の交通網が便利で色々な所に数時間で行けるのは良いことかもしれないけど、その分働き方はせわしないというか、余裕がないのかもなあという気持ちになりました。

ちなみにめちゃくちゃ気前が良くて、色々ごちそうになるので小心者の自分としてはお返しに困っている。とりあえずインスタントみそ汁の素をプレゼントしたらインスタントボルシチの素をもらってしまい、「どこの国も作るものは一緒やな、HAHAHA!!!」みたいな会話を交わした。 お仕事は犯罪専門の検事さんらしい、コワモテな理由はこれか。でもめちゃくちゃ暖かいし翻訳機を使ってなんとかコミュニケーション取ろうとしてくれる様が非常にありがたい。 アントンは定期的に見回りに来てくれたりで言葉の通じない僕のことをかなり気遣ってくれていたけれど、家族と一緒のテーブルで食事しているのを見て「どこに行ったのか分からなかったよ(いつもベッドの上にいるから)」と言っていた。

旅行の前は正直治安が悪いみたいな一方的なイメージがあったけど、こうやって実際に一緒に過ごしてみるとなんてことはない良い人達もいるということがわかり、インターネットに引きこもっていてはだめだなあという気持ちになる。市街はまた違うかもしれないけど。

ロシア日記 4, 5日目

シベリア鉄道 3, 4 日目の道のりである。ウラジオストク駅からは 5195 km 地点。

まさかの三日坊主。いや、これには深い事情がありまして。レストラン車の利用にも慣れ優雅にシベリアの広大な風景を眺めながらブログを書こうと思っていたら、モノ好きなロシアの若き軍人たちに「おい!どこから来たんだ!とりあえず飲もう!」と声をかけられ、本場のビールの飲み方を教え込まれ、すっかり意気投合した挙げ句に酔っぱらい、目覚めは二日酔いと列車特有の揺れからくる気持ち悪さのためトイレで2回吐き、翌日また鉢合わせてまたビールを飲み、なんてことをやっていたわけです。これはもう仕方ないですね。

言い訳はこのへんにして、2日間の旅をダイジェストでお送りします。

まず、チタ駅でカップとフォークを入手。

日本出発時に買っておいた味噌汁の素を早速使用。

ちなみにインターネット状況はウラジオストクを離れてからずっとこんな感じで、理由は明快であり窓の外には森と林と木しかないからです。

事前調査によりお願いすればシャワー室が使えるかも、みたいな話があったので乗務員に聞いてみたのですが、この車両には一等車がついていないらしくそもそも無いとのことでした。確かに乗務員さんも使っている様子がない。(ちょっとかわいそう)

銅像はてっきりレーニンのものだらけなのかなと思いこんでいたのですが、意外とバリエーションがある模様。このクマは何かこの土地に縁があるのかな?

さて、これだけロシアに滞在(?)していると、なんとなくキリル文字も読めるようになってきます。 日本育ちだとアルファベットの発音を英語式で覚えている人が多いと思いますが、ロシア語ではアルファベットのつもりで読むと意表を突かれます。

Новосибирск は、そのまま読もうとすると「ホボ……何?」となってしまいますが、 Н -> N, в -> V, с -> S, и -> I, б -> B, р -> R に置き換えると、 Novosibirsk となるので、「ノヴォシビルスク」と読めるようになります。

P が R になったり、一見 N っぽいのに и が I だったりと初見では困惑すること間違いないでしょうが、読めてしまえばそこまで怖くありません。

有名なソビエト連邦の略称である CCCP も、 Soviet なのに C がどっから出てきたんだよというのもこれで納得が行くはずです。(最後の P は Republic / Республик です)

とはいえ、発音ができたところでロシア語の語彙力がないため意味は分からずじまいなのですが……。

コミュニケーション自体は Google 翻訳のアプリ(インターネットが繋がらないので、事前にオフライン辞書をダウンロード)を活用することで割と問題なく行えていますが、注意点としては「日本語←→ロシア語」モードには注意しましょう。内部的には一度英語への翻訳を通しているようで、翻訳精度が高くありません。日本語から英語に一旦翻訳して、意味の欠落などがなさそうであればロシア語にしても問題ありませんが、そうでない場合は日本語ではなく英語に翻訳してもらった方が正確です。 後はとっさの場面で使いたいような言葉は翻訳しなくても済むように挨拶や感謝の言葉などは事前に覚えておくとよいでしょう。発音が拙くても意外と表情と素振りでなんとかなったりします。