ロシア日記 6日目

シベリア鉄道 5 日目の道のりである。ウラジオストク駅からは 6867 km 地点。

5日間も乗りっぱなしとなるとさすがにシベリアの広大な森にも飽きてくる。(本当に、ずっと木なのだ。そして圏外。)

そうなると1日の楽しみは長時間停車駅の景観と雰囲気、レストラン車のおいしい食事、ツイッターの通知欄ぐらいしかなくなってくる。( KindleNetflix も事前にもっとダウンロードしておくべきだった!)

空港のある駅で途中下車してモスクワまでひとっ飛びも少しだけ考えたけど、旅行計画の前半は5〜6月に溜まった疲労を十分な睡眠で回復して、後半の活動に備えるということにあるのでこれで良いのかもしれない。

さて、僕が乗っているシベリア鉄道の二等車「クペー」は1部屋4人の共用部屋で、当然同室の人たちがいる。

僕はシェアハウスをしているので同じ部屋に人が居るのは慣れっこだが、ウラジオストクから同室していたのが若めの夫婦と幼い娘1人で、言葉も通じないのもあり若干気まずかった。 とはいえ、何日も同じ部屋で過ごす人であるので何かしら打ち解けないとまずい。そんな時には成田空港で仕入れたアルフォートを差し入れると、とりあえず敵意がない(?)ことを表明できるのでとても便利だった。 打ち解けた後も軽く会釈や言葉を交わしたくらいで、ノヴォシビルスクの手前ぐらいで下車していった。結局名前も知らないままだったけど、僕と同じで人見知りなタイプだったように見えた。

彼らが去った後に下段ベッドに寝転んで、雄大な景色を眺めながら1人で4人部屋を満喫しているとアントンが見回りにきて、「次の駅で乗ってくるから開けときな!」と合図してくれる。

次はどんな人たちが乗ってくるのかなと楽しみにしていると、これまた同じ構成の夫婦と娘だった。ややコワモテの旦那さんと快活な母娘で、早速チョコレートをプレゼントすると紅茶をごちそうしてくれた。どうやら黒海にバカンスに行くようで、えーとつまり……列車だと片道5日ですよね?

正直今回の旅で15連休が取れたのはうちの会社ならではだと思っていましたが、確かによくよく考えるとこれだけの人が乗っていることを考えると、ロシアでは休暇というものに対する考え方がそもそも違うのかもしれない。日本だと家族でバカンスといえばたかだか2泊3日とかで温泉だのハワイ旅行だのだよね。 国内の交通網が便利で色々な所に数時間で行けるのは良いことかもしれないけど、その分働き方はせわしないというか、余裕がないのかもなあという気持ちになりました。

ちなみにめちゃくちゃ気前が良くて、色々ごちそうになるので小心者の自分としてはお返しに困っている。とりあえずインスタントみそ汁の素をプレゼントしたらインスタントボルシチの素をもらってしまい、「どこの国も作るものは一緒やな、HAHAHA!!!」みたいな会話を交わした。 お仕事は犯罪専門の検事さんらしい、コワモテな理由はこれか。でもめちゃくちゃ暖かいし翻訳機を使ってなんとかコミュニケーション取ろうとしてくれる様が非常にありがたい。 アントンは定期的に見回りに来てくれたりで言葉の通じない僕のことをかなり気遣ってくれていたけれど、家族と一緒のテーブルで食事しているのを見て「どこに行ったのか分からなかったよ(いつもベッドの上にいるから)」と言っていた。

旅行の前は正直治安が悪いみたいな一方的なイメージがあったけど、こうやって実際に一緒に過ごしてみるとなんてことはない良い人達もいるということがわかり、インターネットに引きこもっていてはだめだなあという気持ちになる。市街はまた違うかもしれないけど。